大きくわけると、中枢神経と末梢神経が
あります。
【中枢神経について】
脳と脊髄からなる神経系です。
神経細胞とグリア細胞からなります。
脳の重さは、約1300㌘で体の中で
1番重い臓器です。※肝臓は約1200㌘
全身の様々な部位から送られてきた
情報を受取、判断してその対応を
指令します。
皮膚などの末端からの情報は、
脊髄を通って脳に送られ
それに対する脳からの指令は、
また脊髄を通って末端に送られます。
※この場合の脳とは、
終脳と脳幹(間脳、中脳、橋、延髄)
セクレチン
パンクレオザイミン
アルカリ性の膵液を分泌します。
消化酵素に富んだ膵液を分泌します。
エリスロポイエチン
赤血球の新生を促進させます。
血液中のアンジオテンシノーゲンを
分解してアンジオテンシンにします。
血管収縮、電解質コルチコイドの分泌を
促進させ、血圧を上昇させます。
ガストリン
胃酸の分泌を促進します。
心房性ナトリウム利尿ペプチド
尿の生成や排泄の増加に
関与しています。
サイモシン=チモシン
胸腺皮質が産出するホルモンの1つ。
T細胞の分化や活性化に関与して
います。
※膵臓のランゲルハンス島から
放出されるホルモン✾
ソマトスタチン
インスリンとグルカゴンの産生
分泌抑制のほか、成長ホルモンの
分泌や様々な消化機能の抑制をします。
ランゲルハンス島のδ(D)細胞から
分泌されます。
※ソマトスタチンは、ランゲルハンス島
だけでなく、視床下部、消化管でも
分泌されます。
※膵臓のランゲルハンス島から
放出されるホルモン✾
インスリン
全身の組織でブドウ糖取り込みを
促進し肝臓におけるグリコーゲンの
合成促進と分解抑制をします。
全身では血糖値を降下させます。
糖分が腸から吸収され
グルコースとして血中に
入ると、ランゲルハンス島B(β)細胞
から分泌されます。
グルコースをミトコンドリアに送り
血糖量を減らす働きをします。
余ったグルコースをグリコーゲンに生成
肝臓に貯蔵します。
※過剰になると、脂肪に転化します。
※膵臓のランゲルハンス島から
放出されるホルモン✾
グルカゴン
低血糖の際に、血糖量が減少すると
肝臓に作用して、ランゲルハンス島
A(α)細胞から分泌されます。
肝臓に貯蔵されているグリコーゲンを
分解し、血糖量を増加させます。
メラトニン
概日リズム(サーカディアンリズム)
を調整して、夕方から分泌され
睡眠を誘導します。
小児の時は、たくさん分泌されています。
メラニン産生を抑制して
皮膚の色を明るくします。
※インターメジンとメラトニンは
拮抗的な働きをします。
※副腎髄質(外胚葉由来)から
分泌されるホルモン✾
交感神経の刺激で分泌されます。
ノルアドレナリン
アドレナリンが血中に運ばれ
各器官でホルモン作用を示す
のに対し、ノルアドレナリンは
主に神経伝達物質として作用します。
怒りを感じた時に分泌されます。
末梢血管の収縮、腸管抑制、心刺激
血圧上昇作用があります。
ストレスなどの影響をうけ
交感神経が刺激されると
血中に放出され、脂肪から
エネルギーを放出して
筋肉の瞬発力を高めます。
過剰になると、躁状態、末梢血管の
収縮作用を引き起こします。
不足すると、無気力、無関心、うつ病に
なります。
※副腎髄質(外胚葉由来)から
分泌されるホルモン✾
交感神経の刺激で分泌されます。
アドレナリン
カテコールアミンの1つ。
血中に運ばれ各器官で
ホルモン作用を示す。
神経系では、神経伝達物質としても
作用します。
驚いたり怖い時に交感神経が
刺激されると血中に放出されます。
ストレス反応そのもの。
心臓、肝臓、骨格筋の血管拡張
皮膚、粘膜などの血管の収縮
血圧を上昇させます。
気管支平滑筋を弛緩。
立毛筋、瞳孔散大筋の収縮。
代謝では、肝臓、骨格筋の
グリコーゲンの分解を増進して
血糖値をあげ脂肪分解
酸素消費を高めます。
過剰になると、糖尿病や小動脈の
収縮作用を起こします。
※副腎皮質(中胚葉由来)から
分泌されるホルモン✾
副腎アンドロゲン
副腎性の男性ホルモン✾
更年期以降、女性ホルモンの分泌が
少なくなってくると、ひげやすね毛など
生えやすくなります。
※副腎皮質(中胚葉由来)から
分泌されるホルモン✾
電解質コルチコイド(アルドステロン)
腎臓の尿細管に作用して
尿中のナトリウムの再吸収と
カリウムの排泄を促します。
血液や血圧の正常化=生命維持に必須✾
電解質、水分代謝、血液量、血圧調整に
関与します✾
※副腎皮質(中胚葉由来)から
分泌されるホルモン✾
糖質コルチコイド(コルチゾール)
糖・タンパク質・脂質の代謝に関与します。
生体にとって必須のホルモン✾
免疫抑制作用や抗炎症、抗アレルギー
抗ストレスの作用があります。
ストレス反応や交感神経の興奮に
よって副腎髄質からだされる
アドレナリンやノルアドレナリンが
刺激となり、分泌が促進されます。
※コルチゾールの合成には、ビタミンCが
不可欠です。
パラソルモン…破骨細胞を活性化します。
骨の融解を助けてカルシウムの遊離を
促し、血清カルシウム濃度を高めます。
※パラソルモンはカルシトニンと
拮抗的に働きます。
カルシトニンによって、血中カルシウム
濃度が低下すると、パラソルモンが
ビタミンDとともに、骨中のカルシウムを
血中に放出させます。消化管にも作用し
カルシウムの吸収を促進してバランスを
保ちます✾
カルシトニン…血液中のカルシウムや
リン酸を低下させる働きをもちます。
骨の形成を促進します。
※副甲状腺のホルモン…パラソルモンと
拮抗的に作用し、血中のカルシウムと
リン酸濃度を調整しています。
サイロキシン…アミノ酸にヨードが
結合したもの。多くの細胞に働きかけ
基礎代謝の亢進。
※過剰になるとバセドウ病となります。
働き…基礎代謝亢進、成長促進
神経系の発達促進、利尿促進
排泄促進など…
※下垂体後葉で貯蔵され
必要に応じて放出されるホルモンです。
視床下部で合成されます。
⬇
下垂体後葉へ送られます。
バソプレシン(Vp)が分泌されます。
働き…腎臓の尿細管から水の再吸収を
促進させて、体液量や浸透圧を調整し
尿量を減少させる働きを持ちます。
末梢血管を収縮させて血圧を上昇させます。
※抗利尿ホルモン、血圧上昇ホルモン
※下垂体後葉で貯蔵され
必要に応じて放出されるホルモンです。
視床下部で合成されます。
⬇
下垂体後葉へ送られます。
オキシトシン(OT)が分泌されます。
働き…子宮を収縮させる作用があり、
陣痛の促進や授乳時には乳汁放出を促します。
※愛情や社会性の形成にも関わると
考えられ「愛情ホルモン」❤(ӦvӦ。)と言われています。
視床下部から
⬇ 命令があり、
下垂体中葉から
メラニン細胞刺激刺激ホルモンが分泌されます。
⬇ 標的器官へ放出されます。
表皮の基底層
働き…表皮の基底層のメラノサイトに働きかけます。
紫外線を浴びて分泌メラニン産生。
視床下部から
性腺刺激ホルモン放出ホルモン
⬇ 命令があり、
下垂体前葉から
精子形成ホルモンが分泌されます。
⬇ 標的器官へ放出されます。
精巣(アンドロゲン=テストステロン)
働き…精巣に作用して、アンドロゲン
(テストステロン)を分泌させます。
男性の二次性徴の発現、精子形成。
視床下部から
性腺刺激ホルモン放出ホルモン
⬇ 命令があり、
下垂体前葉から
黄体形成ホルモン(LH)
⬇
黄体(黄体ホルモン=プロゲステロン)
⬇ 標的器官へ放出されます。
卵巣
働き…卵巣に作用して成熟卵胞から排卵を
誘発し、黄体形成を促して、黄体ホルモン
(プロゲステロン)を分泌させます。
受精卵の着床、妊娠の維持、乳腺の成熟に関与。
視床下部から
性腺刺激ホルモン放出ホルモン
⬇ 命令があり、
下垂体前葉から
卵胞刺激ホルモン(FSH)
⬇
卵胞(卵胞ホルモン=エストロゲン)
⬇ 標的器官へ放出されます。
卵巣
働き…卵巣に作用して原始排卵の発育を
促します。エストロゲンを分泌させます。
女性の二次性徴の発現、卵胞発育、子宮内膜肥厚
コラーゲン生成、カルシウムの吸収
①下垂体前葉ホルモンの種類 副腎皮質
視床下部から
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
⬇ 命令があり、
下垂体前葉から
副腎皮質刺激ホルモン(コルチコトロピン)
⬇ 標的器官へ放出されます。
副腎皮質(糖質コルチコイドなど…)
働き…副腎皮質に作用して、副腎皮質ホルモンの分泌
を促進します。
①下垂体前葉ホルモンの種類
視床下部から
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
⬇ 命令があり、
下垂体前葉から
チリトロピン (甲状腺刺激ホルモン)
⬇ 標的器官へ放出されます。
甲状腺 (サイロキシン、カルシトニン)
働き…甲状腺に作用して、甲状腺ホルモン分泌を
促進します。
①下垂体前葉ホルモンの種類
視床下部から
プロラクチン放出ホルモン
⬇ 命令があり、
下垂体前葉から
プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)
⬇ 標的器官へ放出されます。
乳腺
働き✾…直接乳腺に働きかけて乳腺を発達させ
乳汁の産出、分泌を促します。
視床下部から放出されるホルモンは
下垂体で3箇所に分かれて、放出されます。
①下垂体前葉(視床下部➡下垂体前葉➡各器官)
そのまま作用するものと、刺激ホルモンを
放出することによって各器官からホルモンを
出させるものがあります。
成長ホルモン=そのまま全身の多くの組織に働きます。
タンパク質の代謝促進と血液増加により
骨、筋肉、内臓の成長を促進します。
②中葉(視床下部➡下垂体中葉➡器官)
③後葉(視床下部➡下垂体後葉で貯蔵され、必要に応じて放出されるホルモン)
生体内で恒常性(ホメオスターシス)を
維持するためホルモン分泌量を制御
しています。
脳や脊髄からの情報と血液中の
ホルモン濃度で視床下部が
分泌調整を判断し、下垂体系と
下位内分泌腺との間で
フィードバック作用が働きます。
ホルモンの濃度が薄くなると、
下垂体に放出命令を送り、
濃くなると、抑制命令をだして
コントロールしています。
体内の内分泌腺または内分泌器官から
分泌される化学物質の1種であるホルモン❁
は、身体の様々な生理機能を調整します。
ホルモンは、血液中に放出されます。
その後、目的とする標的細胞に運ばれ
受容体のある標的細胞にのみ作用します。
・分泌量が微量でも作用は大きい。
・ビタミンに似ていて触媒的な働きをするが
ビタミンと違って体内合成できます。
内分泌系の最高中枢は、視床下部です。
視床下部=内臓と血管を支配する自律神経の中枢。
下垂体=各種ホルモンの分泌量や分泌時期の調整に
関わる器官。
仕組みとしては…
視床下部から下垂体へ放出ホルモンが出ると、
下垂体から各器官に刺激ホルモンが出て、
各器官からホルモンが放出されます。