⚪犬猫は、法律上⇒物となっており、
犬猫自身には、権利も義務も発生しません。
犬猫を取り巻くトラブルのすべては、飼い主の
法律問題となります。
※犬猫が、被害者、加害者になるという
言い方は、法的な観点からすると正しく
ないものといえます。
災害発生時…誰しも自分の身を守ることで
精一杯です。
⚪普段から、飼い主…ひとりひとりが
防災意識をもち、緊急時に対応できるように
備えておくことが大事です✾
⚪災害時…必要なもの
・犬猫用のキャリーバッグ
・避難用品の確保
・ドッグフード及びキャットフードの備蓄
・マイクロチップの装着
・しつけ、健康管理など
⚪可能な限り、責任をもって世話をすること。
⚪避難所において、苦情やトラブルが発生しないように鳴き声、排泄物の始末など…周囲に迷惑をかけないようにしましょう。
※災害時…地域の獣医師会、民間の動物団体等が連携して救済と管理体制を整えるようになります。
⚪同行避難…または、同伴避難とは、
ペットを連れて安全な場所まで避難する
ことをいいます。
※避難先では、ペットと同室で過ごせる
という意味ではありません。
⚪避難先での具体的なペットへの対応は、
各自治体の地域防災計画に基づいて異なります。
・避難先でのルールに従うこと。
・屋外にペット専用の避難スペースが設置され
飼い主は室内に避難するケースとなるかもしれません。
・一般避難者とペット同伴避難者とのエリア分けが
あるケースの場合、犬猫と別室となる場合が多いのが
実情です。
2016年…熊本地震が発生し
広域な支援体制の必要性と
ペットを連れた被災者への対応の問題が
浮き彫りとなりました。
この状況を踏まえ
⚪2018年2月…環境省では、
人とペットの災害対策ガイドラインとして
改訂され、内容を一新しています。
2011年…東日本大震災では
多くのペットが被災し、置き去りにされたり
はぐれて飼い主のもとへ戻れなかったケースが
多発
周りに迷惑がかかるとのことで
車中泊や避難所に連れていっても
受け入れを拒否されることもありました。
この状況を踏まえ
⚪2013年…環境省では、災害時におけるペットの
救護対策ガイドラインが作成されました。
⚪災害時は、飼い主責任により
一緒に避難する同行避難が前提✿
※各自治体にむけて、ペット救護と飼い主のための
支援体制、避難所整備などの重要性が示されています。
⚪原則として、災害が発生した場合
一緒に連れて行く同行避難が原則です✾
※災害発生時…避難指示がでたら
犬猫はキャリーバッグに入れて
一緒に避難しましょう。
公共交通機関を利用する場合…
旅客と事業者は、旅客運送契約を
結びます。
⚪事業者の義務⇒旅客や手荷物を安全に
損傷なく目的地まで輸送する義務があります。
⚪事業者へ託した犬猫が輸送中…貨物室内で
死亡するなど…トラブルが発生した場合
事業者側に過失がないことを立証できなければ
債務不履行に基づく損害賠償責任を負うことに
なります。
⚪旅客の手元において輸送する
(持込手荷物)の場合、事業者は通常
損害賠償責任を負いません。
※長時間の移動は、犬猫にとって
負担となるため、移動の前後は体調チェック✿
ストレスがかからないように気をつけましょう✾
⚪航空会社へ事前予約が必要です✾
出国する場合…
・輸出検疫証明書(出国する前に入手したもの)
・出入国許可書
・事業者所定の同意書へ署名する
など…搭乗手続きに時間がかかります。
※貨物室のケージ内での長時間フライトで
体調を崩さないように、前もって体調管理を
しておきましょう✿
⚪犬猫と一緒に海外へ行く場合…
短期間でも出入国時に動物検疫所における
検疫を受けることが義務づけられています✾
相手国の入国条件として…
❍マイクロチップ装着
❍狂犬病予防接種
なども義務づけている場合は先に
済ませておくことで、待機時間の短縮となります✾
※国によって、出入国できる条件は異なります。
出国が決まったときは、早めに出発空港の
動物検疫所に連絡しましょう✾
公共交通機関を利用する場合は、
ペットは手荷物として扱われます。
※事業者により取り扱いも異なります
各社で制定しているルールに従います。
電車やバス、タクシーなどは、キャリーバッグに
入れて乗せることを原則としています。
※別途料金がかかることもあります。
飛行機の場合、
海外では、ペットの機内持ち込みを可能としている
航空会社もあります。
日本では、客室内に持ち込むことができない
託送手荷物となり、貨物室内での輸送となります。
※1機あたり受付制限があり、混雑状況によっては
受け入れができないこともあります。
※事前に確認を⇒乗車可能な頭数、重量の制限の有無
必要なケージの詳細や料金を利用する航空会社に確認しておきます。
犬猫の幸せを願う気持ちを逆手にとる
ような悪質な里親は実際に存在します。
日頃から保護猫活動仲間で情報を交換したり
警察や動物愛護センター、動物病院などに情報が
入っていないか確認したり、自衛手段をとりましょう✿
❍マイクロチップを装着し、里親情報を確実に
登録してから譲渡することもひとつの策といえます。
近年、犬猫の里親になるといって偽り
譲り受ける里親詐欺が問題となっています。
一週間のうちに5頭の猫をひきとり
殺害や傷害の行為に及んだ者に対して
裁判所は、終生飼養の契約書に署名捺印
していたにもかかわらず、履行されていなかった
ことに対する詐欺罪と殺傷が続いたことによる
愛護動物殺傷罪の成立を認めました。
譲渡後の犬、猫の近況が全くわからず、
きちんと世話をしてもらっているかわからない…
ひどい飼われ方をしていないか心配である場合など
❍譲渡契約書を交わして譲渡が成立した時、
所有権は移行したと判断されるため
いったん譲渡してしまった犬猫の返還は
困難となります。
❍しかし…譲渡契約書に具体的な返還条件を
特約として記載しておくことで解決できることが
あります。
※譲渡した犬猫に虐待の疑いがある場合
最寄りの警察署や動物愛護センターなど
担当者へ相談し、飼育状況を確認して
指導してもらう方法はあります✿
所有者であっても、動物愛護管理法違反に
問われる可能性はあります。
遺失物法⇒拾得した物を警察に届けると
警察は公告し、3ヶ月を経て、所有者が
判明しない場合は、所有権を取得することが
できます✾
※あらかじめ、届け出の際に、飼い主が現れない際
譲渡を受ける希望があることを申し出る必要があります。
法的に元の飼い主には所有権がなくなり、返還要求をすることはできません。
飼い主を探して返すのが、ベストな方法です。
飼い主は、所有していることを明示する義務があり
首輪、マイクロチップ、写真など証拠となるものを
提示する必要があります✾
犬猫に限り、2006年の遺失物法改正により
各都道府県の動物愛護センターに届けることも
できます✾
※その際、引き渡さず、手元で預かりたい場合は、
その旨を相談するとよいでしょう。
所定期間内に飼い主が現れない場合は
殺処分となる可能性もあることを知っておきましょう。
野良猫だと信じて、10年間
飼い主がいるかもしれないと知っていて20年間
飼育することで、所有権を取得することもできますが…
猫の寿命からすると現実的ではないでしょう。
※飼い主へ猫を返還する場合、
拾った人は飼い主に対して、飼っている間に猫に
かかったえさ代や治療費などの費用を請求することができます✾
拾った猫に飼い主がいる場合は、
飼い主(所有者)へ返還しなくてはなりません。
動物は法律上、物となり、はじめに飼う意志をもって猫を取得した飼い主には所有権があります。
※迷子猫には遺失物法が適用され
猫⇒遺失物 拾った人⇒拾得者
飼い主がいる猫を飼うことは、所有権の侵害に
あたるものとされ、民法上、所有権侵害に基づく
返還要求が可能。損害賠償を求められる可能性があります。
※飼い主がいると知りながら飼育しようとする行為は、刑法の窃盗罪や占有離脱物横領罪に問われる恐れもあります。
拾った猫が野良猫であれば、法的に問題はなく、
所有権のない動産として飼い始めた時から所有権を
取得することができます✾
動物愛護管理法では…
❍所有する犬や猫にマイクロチップを装着するよう
努めなければならない。と定めています。
第39条二2項
2022年6月1日以降…
❍ペットショップなどで販売される猫については、
マイクロチップの装着・登録が義務化されています。
❍マイクロチップ装着と犬猫マイクロチップ情報登録に登録しておくこと✿
動物愛護センターでデータベースに照会を行い、
登録者情報を確認して連絡することができ、
迷子猫が飼い主のもとへ戻る可能性は高くなります。
行方不明になったペットを捜索する
ペット探偵に依頼する場合
❍信用できる業者かどうか情報を集めること
❍捜索範囲や調査内容、料金を事前に確認すること
※ペットを探します。という場合は、
結果を含まない準委任契約という解釈となり、
見つからなかった場合でも支払いが発生するため
注意が必要です。
方法としては…
❍インターネットで情報を拡散する
❍チラシやポスターをつくり、配布する
などがあります✾
※ポスターを電柱に貼る場合…
電力会社等、所有者の許可が必要となります。
室内飼育の猫(=^・^=)が外に飛び出し
迷子になった場合⇒猫の行動範囲はそれほど
広くないので、近所を探しながら、早めに関係機関に連絡しましょう✾
連絡先
❍動物愛護センター
❍保健所
❍警察署
❍周辺の動物病院
※動物は法的には、物なので、猫が警察署に
届けられると遺失物として扱われます。
遺失物法…拾得者は速やかに遺失者へ返還するか
警察署長へ届けなければならないのが原則です。
保管期間3ヶ月
警察署で一時的に預かりの場合⇒
動物愛護センターへ引き渡されます
警察署には、動物の専門家はおらず
飼育施設がないことから、2006年遺失物法改正により犬猫については、拾得者は、警察に届けなくても、動物愛護センターへ引き渡せばよいことになりました。
❍動物愛護センターHP 保護動物の情報公開あり
❍環境省HP 収容動物検索情報サイトの開設あり
猫を室内飼育していても、外に飛び出して
迷子になったり、自然災害ではぐれてしまう
こともあります。
被災地の自治体の調査では、
保護された犬猫のうち、鑑札や狂犬病予防接種剤票を身につけた犬の飼い主の判明率は高かったものの
登録制度のない猫に至っては飼い主が判明したものはいなかったとのこと…
マイクロチップの装着と登録の費用は、
約3000円~5000円
※費用の一部を助成している自治体もあるので
きいてみるとよいでしょう✾
マイクロチップ…✾
直径約2mm 長さ8~12mm
円筒のカプセルに入った電子標識器具
獣医師がインジェクターという専用の埋め込み器で
動物の皮下に埋め込み、半永久的に使用することが
できます✾
※標識に記録されている15桁の個体識別番号を
登録しておくことで、飼い主と離れても、専用リーダーで読み取り、データベースで照合することで、飼い主を特定できるようになっています。
2022年(令和4年)6月1日以降は、
ペットショップ、ブリーダーなど
犬猫等販売業者が販売する犬猫への
マイクロチップの装着と登録が義務化されています✾
※動物愛護管理法…
動物の飼育者は、所有者であることを明らかにしなければならないとし、マイクロチップの装着を推奨しています。
犬の場合⇒飼い始めた場合、狂犬病予防法に基づき
飼育場所を管轄する市町村長へ登録が必要です。
U^ェ^U
猫の場合⇒飼い始めた場合、法的な届け出や登録の
義務はありませんが、条例により、登録を義務づけている地方自治体もあるので、確認が必要です。(=^・・^=)
※海外へ移動させる際や海外から迎えいれる際は、
輸出入検査が必要となり、事前に、最寄りの動物検疫所に届出書を提出します。
※繁殖や販売、非営利目的であっても
飼養施設を設置して一定数以上の飼育を行う場合…
動物愛護管理法により、届出が必要となります✾
異物誤飲の予防策✿(=^・・^=)
❍お部屋の整理整頓を✾
猫用おもちゃも出しっぱなしにせず、
飼い主が管理すること。
※猫と一緒に暮らす室内は、
猫の目線でチェックして、お互いにとって
安全で快適な部屋になるようにしましょう✿
❍食べ物でないものを飲み込んでしまう
異物誤飲は、飼い主が目を離したすきや
留守中に発生します。
❍ウールサッキング…
猫には、セーターやタオルなどを食べてしまう症状があります。
❍ビニール、ひも、おもちゃの一部など飲み込んでしまうことも
あります。※場合によっては、開腹手術で取り出さなければ
ならないこともあります。
❍チョコレートや人用の薬など食べてしまい、中毒を起こすことが
あります。
注意
⬇
❍ドア
※開けていたドアが突然しまり、しっぽや足を
挟まれることがあるため、ドアストッパーで固定する対策をしましょう。
❍炊飯器・電気ポット
※寒い日には、あたたかい炊飯器の上に
猫が乗ることがあります。蒸気で火傷をすることも
あるため注意しましょう。